研究課題/領域番号 |
18012012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮川 清 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40200133)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2007年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2006年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 染色体 / 相同組換え / 細胞周期 / 中心体 / DNA損傷 |
研究概要 |
染色体の数的異常は発がんのみならすがんの進展において重要な役割を果たすことが知られているが、その機構についてはまだ不明な点が多く、特に放射線など外的な原因によるDNA損傷から染色体の数的異常への経路の連続性については現在のがん研究の重要な課題である。この問題を解決するために、DNA二重鎖切断に対する修復経路の一つである相同組換え修復の機能異常による染色体の数的異常の分子機構の解析を行ってきた。Rad51CはRad51とともに相同組換え修復において重要な役割を担っている。この遺伝子の機能を理解するために、ヒト大腸がん細胞株において遺伝子機能低下細胞を作製した。この細胞においては、姉妹染色分体の交換の頻度低下、放射線やDNA架橋剤に対する感受性亢進、染色体切断の増加、放射線照射後のRad51の核内フォーカス形成の低下などが観察され、Rad51Cも他のRad51関連遺伝子と同様にRad51を中心とする相同組換え修復に役割を果たしていることが確認された。さらにこの機能低下細胞においては中心体数の増加とそれに伴って異数体の増加も観察された。中心体は細胞分裂の際に遺伝情報が均等に分配されるために中心的役割を果たす。そこで、Rad51C機能低下による中心体数の増加機構を検討した。細胞周期を制御するp21がこの細胞では発現が上昇していたが、これをRNA干渉で抑制すると、中心体数の異常も軽減した。この結果は、DNA損傷に応答して活性化したp21が中心体異常の原因となることを示唆するものであり、これまで不明であった、DNA損傷から染色体数的異常に至る経路を理解するために重要な情報となるものである。
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