研究課題/領域番号 |
18012013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70242089)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2007年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2006年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / ヒストンシャペロン / 癌遺伝子産物 / Myb / KLF5 |
研究概要 |
1. ヒストンシャペロンCIAと癌遺伝子産物Mybとの相互作用を介した正の発現制御過程の解析 ピストン脱アセチル化酵素HDAC、コファクター複合体NCoRなどの負の制御因子とピストンとの相互作用に対してCIAが競合することを見出した。更に、1)CIAによる負の制御解除とCIAの持つヒストンシャペロン活性やヒストン(H3-H4)_2四量体の分割活性との関連性の解析、2)負の制御解除後、正の制御を引き起こす分子機構の解析、を検討し、更に幾つかの新しい知見を得つつある。 2. ヒストンシャペロンTAF-1と癌遺伝子産物KLF5との相互作用を介した負の発現制御過程の解析 癌遺伝子産物KLF5はヒストンシャペロンTAF-1と競合し転写を負に制御する。その分子機構を明らかにするためKLF5とTAF-1の複合体構造解析を進めている。その他に下記の研究を遂行し、成果を挙げた。 (1)KLF5とANP32Bによるプロモーター領域特異的なヌクレオソーム形成の解析:KLF5と新規ヒストンシャペロンANP32Bの相互作用を見出し、KLF5依存でANP32Bがプロモーター領域にリクルートされ、ヌクレオソーム形成及びヒストンアセチル化の阻害を介して転写不活性化に寄与することを解明した。 (2)KLF5とPARP-1のアポトーシス誘導における機能的相互作用の解析:KLF5とDNA修復及びアポトーシス関連因子PARP-1の相互作用を見出し、KLF5のアセチル化依存にPARP-1との相互作用及びアポトーシスの誘導活性が高まることを新しい実験を加えて明らかにした。 3. ヒストンシャペロンCIAとアセチル化ヒストンを認識するブロモドメインの複合体構造解析を通したヒストン化学修飾によるヌクレオソーム構造変換反応の制御機構モデルの提唱 CIA-ヒストンH3-H4複合体構造解析によるヌクレオソーム構造変換機構の解明に引き続き、アセチル化ヒストンを特異的に認識するブロモドメインとCIAの複合体構造解析を行った。これにより、アセチル化ヒストンのブロモドメインによる認識を介してCIAがヌクレオソームにリクルートされ、CIAがプロモドメインからヒストンへ受け渡されることによりヌクレオソーム構造変換が制御されるという一連の反応機構モデルの提唱に至っている。これについては論文を提出することができた。
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