研究課題/領域番号 |
18012016
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤井 雅寛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30183099)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2007年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2006年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | HTLV-1 / Tax / ATL / HTLV-2 / PDZ / NIK / NF-kB2 / ウイルス / 微生物 / 感染症 / NF-kB / HTLV / 白血病 |
研究概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)には病原性が異なる2つのサブタイプがある。1型(HTLV-1)が成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスであるのに対して、2型(HTLV-2)はATLの発症に関与しない。我々はこれまでに、HTLV-1のTax1はT細胞株(CTLL-2)の細胞増殖をIL-2依存性から非依存性に形質転換するが、この活性はHTLV-2のTax2よりも有為に高く、両者の分子機構も大きく異なっている事を報告してきた。これらに基づいて、"も生体内低IL-2環境下においてHTLV-1感染細胞はHTLV-2感染細胞より高い増殖能を持っこと、このことが白血病発症に関与する"ことを提唱してきた。今回我々は、Tax1とTax2とを比較検討し、Tax1のみが転写因子NF-kB2を活性化することを見出した。RNA干渉法によってNF-kB2の発現を低下させると、CTLL-2に対するTax1の形質転換活性は著名に低下し、その強さはTax2と同レベルになった。一方で、NF-kB2を活性化するNIK(NF-kB inducing kinase)を発現したCTLL-2を用いると、Tax2の形質転換活性が有為に昂進した。Tax1はC末端にPBM(PDZ domain binding motif)を持つが、Tax2はこのモチーフを持っていない。Tax1のPBMをTax2に付加した変異体は、NIK発現CTLL-2細胞に対して、Tax1と同等の形質転換活性を示した。これらの結果は、NF-kB2活性化能とPBMを介したシグナルとがTax1とTax2の形質転換活性の違いを規定していることを示している。また、これらがHTLV-1感染細胞とHTLV-2感染細胞の生体内における増殖能、引いては病原性の違いに関与することを示唆している。
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