研究課題/領域番号 |
18012044
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
辻 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50339131)
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研究分担者 |
伊藤 克彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (90281097)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2007年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2006年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | PI3キナーゼ / HTLV-I / p40Tax / PTEN / SHIP-1 / HTLV1- |
研究概要 |
本研究課題では、平成18年度に報告したp40TaxによるPTEN制御のメカニズムとSHIP-1発現制御における関与について解析を行った。 p40TaxはNF-κB経路の活性化に関与することが知られているため、NF-κB-binding motifを有するレポーターアッセイ系を構築し、p40TaxによりNF-κBが活性されることを明らかにした。また、抗NF-κB抗体によりNF-κBが活性化し、核内移行することも認めた。一方、p53経路について、p53活性が認められなかったため、NF-κB経路に着目して、解析を行った。 ATL患者ではPTENと共に、SHIP-1の発現低下が認められるため、p40TaxのSHIP-1に対する影響を解析したところ、PTEN同様にSHIP-1 mRNA、並びにタンパク質発現が抑制された。p40Taxの下流でNF-κBが活性化されることから、活性化NF-κBであるp65を発現させるとSHIP-1 mRNA発現を抑制した。 NF-κBは、転写補助因子であるp300と相互作用することが知れているため、PTENとSHIP-1の発現制御におけるp300の関与を解析した。p300を発現させると、PTENとSHIP-1の発現が増加し、NF-κBによるPTENとSHIP-1の発現抑制が抑えられた。さらに、免疫沈降によりNF-κBとp300は結合していることが明らかになった。 これらのことから、p40TaxはNF-κBを活性化させ、p300と結合することでPTNEとSHIP-1の発現を抑制するという新たな経路を明らかにした。以上の研究成果から、本研究課題は研究計画項目を達成すると共に、詳細な経路を明らかにすることができたため、現在、論文投稿の準備中である。
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