研究課題/領域番号 |
18013017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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研究分担者 |
岩田 哲史 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (00396871)
矢持 忠徳 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80306844)
山崎 裕人 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (80376623)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2007年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2006年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | β1インテグリン / Cas-L / Nck / SHP-2 / 細胞遊走 / ERK / p130^<Cas> / Efs / TGF-β / Lipid raft / Smad / 接着分子 |
研究概要 |
β1インテグリン分子は接着分子としてのみならずシグナル伝達分子として、癌細胞の転移、浸潤、生存、増殖に関与する。本研究はインテグリン刺激によってチロシンリン酸化される分子として我々が確立したCas-Lに関して以下の結果を得たので報告する。 (1)これまでにアダプター蛋白Nckがlipid raftにおいてCas-L SDヘチロシンリン酸化依存的に結合すること、Cas-L RNAi或いはdominant negative型Nckの導入により、サイトカイン産生・細胞遊走能が阻害されること、チロシンボスファターゼSHP-2とCas-L SDの結合、SHP-2 RNAiの導入による細胞遊走能の阻害を明らかにした。293T細胞に共発現させたCas-LとSHP-2が細胞辺縁部のleading edgeに共局在することを見出している。また、SHP-2 RNAiの導入によりERKの活性化低下が確認された。また、サイトカイン産生能・細胞遊走能が充進しているCas-L導入T細胞株においてMAPK経路のうち、ERK,p38の活性化は不変だが、JNKの恒常的活性化が起きている事を見出した。 (2)EGF刺激等の増殖因子受容体型チロシンキナーゼによるp130Casのチロシンリン酸化が報告されているがその詳細な機序は不明である。我々はこれまでに、EGF刺激によるCas-Lのチロシンリン酸化とそのEGFR阻害剤Gefitinibによる特異的阻害、Cas-L RNAiにより、EGFに対する細胞遊走が阻害されることを見出した。SCIDマウスへの皮下移植を用いた検討では、Cas-L RNAi導入株の腫瘍造生能及び転移能が極めて低下していることを見出し、Cas-Lの関与が強く示唆される。
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