研究概要 |
25例のM3で,9例がFlt3ITDを有し,9例がFlt3D835の変異を有した。2例がITDとD835の両方を有した。ITD陽性9例の全例がCD2を発現した。CD2発現例の1例だけがITD陰性であった。CD2及びCD34発現例は5例総てITD陽性であった。ITD陽性例9例全例が、TdT(RT-PCR)を発現した。これに対して、D835を陽性例・陰性例の比較では,ITDの有無で観察された、CD2,CD34,TdT発現の対照性は見られなかった。以上,ITDだけが、M3細胞の未分化形質に関与していることが示された。標本形態では伝統的にM3vとの呼称が用いられて来た。しかし、CD2及ぶCD34両者発現例の2例は、必ずしもM3vとされる形態には厳密には合致せず、膜表面抗原,TdT発現,などで未分化形質を総合的に定義した方が、ITDの有無との相関も合理的に解釈された。この結論は現在、投稿中である。なお、本年度には、3例のITD陽性例について、PML遺伝子の切断点を確定した。それらは総てbcr3に含まれていた。なお、ITDも無くD835をも示さなかった3例では、bcr2が1例、bcr1が1例であった。D835を示す例も含め、更に研究を進める必要がある。
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