研究課題/領域番号 |
18015009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (00198011)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2007年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | アポトーシス / IAP / cIAP1 / 遺伝子増幅 / ユビキチン / プロテアソーム / Apollon |
研究概要 |
1,MeBSによるcIAP1の分解とがん細胞のアポトーシネ増強 cIAP1は一部の肺がん、食道がん、子宮頸がんなどで遺伝子増幅による過剰発現が認められ、細胞がん化や治療抵抗性に関与する事が知られている。我々は細胞内でcIAP1を選択的に減少させ、がん細胞のアポトーシスを増加させる低分子化合物(MeBS)を開発した。MeBSはcIAP1のRINGドメイシに依存した自己ユビキチン化を促進し、プロテアソームによる分解を促進したが、cIAP1と構造の類似したcIAP2やXIAPの自己ユビキチン化や減少を引き起こさなかった。cIAP1の各種変異体、cIAP1とcIAP2のキメラ分子を種々作製しMeBSによる減少を調べた結果、cIAP1のBIR3ドメインがMeBSによる減少に重要な機能を持つことが明らかになった。またSurface Plasmon Resonance解析により、MeBSはcIAP1のBIR3ドメインと結合することが明らかになった。さらに、MeBSの構造類似化合物の構造活性相関を検討し、ベスタチンのエステル誘導体がcIAP1の自己ユビキチン化と減少、さらに細胞死増強活性を示すことを明らかにした。またアクチノニンが同様な活性を示すことを見出し、アクチノニンとMeBSの構造を基に、MeBSに匹敵するcIAP1減少活性を示す新規化合物HAB-5Aを開発した。 2,FLIPによるWntシグナル増強 FLIPはカスパーゼ8とよく似た構造を持つタンパク質で、細胞死受容体からのアポトーシスシグナルを阻害する。我々はFLIPが細胞内で凝集塊を形成しやすく、FLIPを発現した細胞はユビキチン・プロテアソームシステムの活性が低下し、がん化に重要なWntシグナルやHIFシグナルが増強されることを明らかにした。
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