研究課題/領域番号 |
18015037
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60127917)
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研究分担者 |
羽藤 高明 愛媛大学, 医学部・附属病院, 准教授 (30172943)
東 太地 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (10396252)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2007年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2006年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 造血器腫瘍 / 細胞傷害性T細胞 / 細胞免疫療法 / T細胞エピトープ / CML66 / Aurora Kinase / GVHD / がん免疫 / 細胞障害性T細胞 / がんペプチドワクチン / 遺伝子治療 |
研究概要 |
造血器腫瘍に対する新たな細胞免疫療法の開発を目的に研究を遂行し、下記の結果が得られた。 1)白血病関連抗原CML66特異的細胞傷害性T細胞の誘導と機能解析 健常者末梢血からCML66ペプチド特異的CD8陽性CTLを誘導した。抗HLA-A24抗体ならびにHLA-A24遺伝子導入細胞を用いた解析からHLA-A24拘束性CTLであることが確認された。CML66は多くの白血病細胞に強く発現され、正常細胞には発現が極めて低いことが確認された。CML66特異的CTLは白血病細胞ならびに新鮮分離白血病細胞をHLA-A24拘束性に傷害したが、正常細胞には影響を与えなかった。以上の結果から、CML66は新たな白血病関連抗原であることが明らかとなった。 2)HLA-A2拘束性CTLが認識するAurora-Aエピトープの同定 Aurora-Aペプチド特異的HLA-A2拘束性CD8陽性CTL株を樹立した。Aurora-Aは、ほとんどの白血病細胞株および新鮮分離白血病細胞に強く発現が認められた。中でも特に、慢性骨髄性白血病のCD34陽性分画にきわめて高い発現が認められた。他方、正常細胞では骨髄並びに臍帯血CD34陽性細胞も含めてその発現量は低値であった。Aurora-A特異的DTLは正常細胞には全く影響を与えなかったが、白血病細胞株ならびに新鮮分離白血病細胞に対してはHLA-A2拘束性に強い細胞傷害性を示した。以上の結果から、Aurora-Aを標的とした細胞免疫療法は白血病の新たな治療戦略になりうると考えられる。 3)ケモカインレセプター遺伝子導入制御性T細胞移入による急性GVHDの制御 GVHD発症組織では、CXCR3リガンドが高発現していることが明らかとなった。そこで、TregにCXCR3遺伝子を導入し、CXCR3強制発現Treg(CXCR3 -Treg)を作製した。CXCR3 -TregをGVHD発症マウスに移入したところ、肝臓と腸管に選択的に集積した。CXCR3 -Treg移入マウスでは、肝臓と腸管のGVHDのグレードは明らかに軽度であり、体重減少などの全身症状の回復も認められた。以上の結果から、人為的操作を加え、病変部位に選択的に集積できる制御性T細胞を用いた治療法は、新たな免疫制御療法になりうることが示された。
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