研究課題/領域番号 |
18015046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松田 達志 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00286444)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2007年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2006年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 樹状細胞 / Th1反応 / IL-10 / mTOR |
研究概要 |
PI3K欠損マウスは個体レベルでTh1反応が昂進している。現在までの解析から、PI3K欠損マウス由来の樹状細胞がTh1誘導因子であるIL-12を多量に生産する事、ならびに、PI3K欠損マウス由来T細胞において、好塩基球の活性化を介してTh2反応を誘導する事の知られるIL-3の生産が著しく低下している事が明らかとなっている。本研究では、樹状細胞とT細胞の両者の機能に焦点を絞り、PI3K欠損マウスの示すTh1反応昂進の分子機構の解明を目指す。 本年度は、免疫系活性化の鍵を握る樹状細胞の解析において進展が見られた。すなわち、PI3K経路の下流で機能する各種の分子群のうち、mTORならびにGSK3βがIL-12の遺伝子発現の制御に関与する事が明らかとなった。活性化したmTORは、IL-12の生産を負に制御するIL-10の生産を誘導する事で、間接的にIL-12の遺伝子発現を負に制御していた。実際、mTORの特異的阻害剤であるrapamycinで樹状細胞を処理するとIL-10の発現低下とそれにともなうIL-12生産の増強が確認された。一方、PI3K経路の活性化にともない不活性化されるGSK3βに関しては、その活性を阻害剤で抑制する事で、PI3K経路の活性化と同じ表現系が認められるか否かの検証を行った。結果は予想通りであり、GSIK3βの活性を抑制することで、IL-12の遺伝子発現が著しく抑制される事が明らかとなった。GSK3βの活性抑制の効果はIL-10-KOマウス由来樹状細胞でも観察されたことから、mTORとは異なり、GSK3βは直接IL-12の遺伝子発現を抑制しうることが明らかとなった。以上のデータから、樹状細胞においてPI3K経路は、mTORの活性化とGSK3βの不活性化という、少なくともの二つの異なる経路を介してIL-12の遺伝子発現を負に制御している事が示唆された。
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