研究課題
特定領域研究
本研穿の目的は、「ショウジョウバエのゲノム機能解析により得られた器官改変を誘導する遺伝子群について、その機能を解析することにより、ある特定の細胞集団で特定の発生プログラムが決定される機構を理解し、またその決定が転換するプロセスから発生プログラムの決定が細胞集団毎に維持される機構を理解する」ことにある。解析する遺伝子群は、複眼を翅、肢、あるいは触角に改変する遺伝子として、ゲノム機能を利用した網羅的探索により同定した遺伝子群である。平成19年度は、ATフックを有するタンパク質をコードし、複眼を触角に改変する遺伝子(ATフック遺伝子)を中心に解析を進めた。まず、ATフック遺伝子から発現する二つの転写産物を別々に複眼原基で過剰発現させ、複眼が触角に改変するのかどうか調べたところ、二つの転写産物の機能に違いがないことがわかった。次に、ATフック遺伝子を複眼原基で過剰発現させ、複眼を触角に改変させた際に、複眼原基におけるwinglessとDistallessの発現を調べたところ、異所的な発現が認められた。そこで、このwinglessとDistallesの発現を調べたところ、異所的な発現が認められた。そこで、このwinglessとDistallessの発現が、ATフック遺伝子により細胞自立的にもたらされるのか、それとも細胞非自立的、すなわち周りの細胞との関係においてもたらされるのかどうか、モザイク状にATフック遺伝子を複眼原基で過剰発現させ調べたところ、ATフック遺伝子を複眼原基で過剰発現させると、複眼が触角に転換するが、それと同時に、複眼原基において、細胞死が誘導されることが明らかとなった。そこで、この細胞死と、複眼から触角への転換が関係あるのかどうか、ATフック遺伝子を複眼原基で過剰発現させる際に、P35蛋白質を発現させ、細胞死を抑制した際の、複眼から触角への転換を調べた。その結果、ATフック遺伝子を発現させると誘導される細胞死と、複眼から触角への転換が関係ないことがわかった。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Development (印刷中)