研究概要 |
(1)ローカスワイド関連解析:グルタミン酸受容体遺伝子群のなかでカイニン酸受容体7型、KA1型、KA2型各遺伝子(GRIK3, GRIK4,GRIK5) につき連鎖不平衡を考慮し選択したSNPを用いて関連解析を行った。GRIK3, GRIK4, GRIK5については関連を認めなかった。グルタミン酸トランスポーター遺伝子EAAT3, EAAT1, EAAT4(SLC1A1, SLC1A3、SLC1A6,)について同様の関連解析を行い、SLC1A6についてハプロタイプで関連を認めた。 (2)ゲノムワイド関連解析: 3次サンプルを用いた解析で1,014個のマーカー中352個(34.7%)につき有意差を認めた。これらの領域について、各スクリーニング間で有意差の見られるアレルの再現性の確認等を行い59マーカーを選択した。これらのマーカーを中心に200 kbの領域におけるMAF>0.1,r^2>0.8のTag SNPを合計1,564個選びタイピングを行った。その結果167個のSNPに有意差が認められた。うち98個が遺伝子内に位置していた。複数の検定で有意差がみられる31個のSNPについて、スクリーニングサンプルとは独立の約2,400ペアのサンプルによる確認のための関連解析を実施中である。 (3)個体を用いた機能解析:先に関連を報告し作出したGRIA4ノックアウトマウスについてC57BL/6系マウスへの戻し交配を続け6世代まで終了し現在行動解析を実施中である。統合失調症のエンドフェノタイプとして指摘されているPrepulse inhibitionの障害が、本変異マウスでも見られている。
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