研究課題
特定領域研究
ウシの趾乳頭腫症病変部から分離したスピロヘータは、Treponema phagedenisに近縁種であり、パルスフィールドゲル電気泳動法、およびRAPD-PCR法による遺伝子型を調べたところ、両解析においてDNA多型を示し、同一農場の異なる罹患牛または同一個体からの分離株間でもバンドパターンは大きく異なり、極めて高いバリエーションを持つことが明らかとなった。さらに分離菌株は、炎症を起こすメディエーター(IL8)の産生を強く惹起させる能力を持つことから、本症の病態に関与していることが示唆された。そこで、分離菌株の中からYG3903R株(予想ゲノムサイズは約3.3Mbp)を選定し、ランダムショットガン法による全ゲノム配列の解析を開始した。2Kbまでのフラグメントとして27,134リード、8〜10kbのインサートライブラリーの末端配列解析(9,920リード)とそれにより得られた58のブリッジングクローンの内部配列解析を行った。Internal sequencingとして769リードの配列からcontigを作成してアッセンブリーを行い、3,082Kbの塩基長を決定した。現時点でのGC含量は40.0%、推定ゲノムサイズは約3.2Mbで、rRNA領域は3セット確認されている。予測される全ゲノムサイズの8倍長のシークエンシングを行ったが、依然として42個のギャップが残っている。ゲノムの完全長を決定するため、40Kbのフォスミドライブライブリーを作製し、末端配列解析を行いながらギャップのクローシングとアッセンブルを行っている。今後は一部のブリッジングクローンについてショットガンシークエンシングを行い、アッセンブルを確認しながらフィニッシングを行うが、ゲノム内における組み換え等が危惧されるため、フィニッシングをより慎重に進めている。
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