研究課題/領域番号 |
18019013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
杉原 泉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (60187656)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2007年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 小脳 / プルキンエ細胞 / アルドラーゼC / マーモセット / マウス / ヒヨコ / 神経解剖学 / 進化 / 登上線維 / ラット |
研究概要 |
小脳のプルキンエ細胞の一部の集団に発現するアルドラーゼCという酵素タンパク質の発現パタンを見ると、ラット小脳皮質では陽性・陰性の領域が約20の縦縞を形成している。この縞構造は、小脳皮質入出力線維の投射様式に密接に関わるので、小脳の機能区分に関わる基本構築を表すと考えられる。本研究では、ラット以外にマウス、マーモセット、ヒヨコの小脳において、アルドラーゼCを免疫染色し、連続切片からの再構築によってその縞構造の全貌を小脳全体で把握した。さらに、マウスとヒヨコでは縞構造と登上線維投射パタンとの関係をマッピングにより検討した。それらにより、アルドラーゼC発現の縦縞構造に反映される小脳の基本構築において、動物種によってどのような違いがあり、何が基本的な構築なのかを検討した。 マウスには、ラットとよく似たアルドラーゼC発現の縞構造があり、各縞への登上線維のトポグラフィーは、ラットとほとんど完全に共通していることが明らかとなった。マーモセットでは、ラット・マウスのものと比較的良く似た縦縞状になったアルドラーゼC発現パタンが認められた。ヒヨコ小脳には、哺乳類のものとは異なる独特の縞のパタンが存在し、下オリーブ核から各縞へのトポグラフィックな投射が認められた。 以上より、小脳入出力線維の投射すなわち小脳の基本的な機能区分に関係した構築としてのアルドラーゼC発現の縦縞パタンが、異なる進化をたどった動物(トリ、齧歯類、サル)の小脳に存在することと、哺乳類間では縞のパタンの相同性が高いことが明らかになった。下オリーブ核の別の部位から、陽性の縞・陰性の縞へトポグラフィックに登上線維が投射するという、縞と投射パタンとの関係は哺乳類・トリで認められ、小脳の基本的な構築であると考えられた。
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