研究課題
特定領域研究
目的:一つ一つの線条体ニューロンに対して大脳皮質及び視床由来の興奮性入力がどのように入力するのかを調べる。ウイルス液を線条体に注入し、単一のニューロンが区別できる密度でニューロンをゴルジ染色様に標識する。GFPで標識されたニューロンがneurokinin B、dynorphin、enkephalinのいずれを発現するニューロンであるかを免疫染色によって分類する。Vesicular Glutamate Transporter 1,2に対する免疫染色を行い、入力神経終末とGFPで標識されたニューロンの樹状突起を高倍率で共焦点レーザー顕微鏡を用いて撮影し、樹状突起に対する興奮性神経終末の近接する数を数えて定量的な所見とし解析を行う。結果:18年度中にレーザー顕微鏡による実験の条件は最適化しデータも相当数集まった。19年度はそのデータ解析と電子顕微鏡による研究を行った。興奮性神経終末が近接する場所を、樹状突起の棘尖端、棘根元、幹の3種類にわけ精密に解析したところ、dynorphinニューロンとenkephalinニューロンの間で差が無かったのに対し、neurokinin Bニューロンに対する入力は他の2つのグループに対する入力よりも少ないことが分かった。樹状突起の単位長さあたりの棘の数と近接する興奮性神経終末の数を比べると、線条体中型有棘ニューロンのほとんどの棘には大脳皮質あるいは視床からの興奮性入力が入っていることは示唆された。また、レーザー顕微鏡で観察した樹状突起と神経終末の接触が実際にシナプス形成しているかどうかを確かめるために電子顕微鏡で観察を行った。その結果、GFPで標識された樹状突起に興奮性神経終末がシナプス結合しているところが観察された。より確実な解析のため電子顕微鏡写真から三次元再構築を試みているところである
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