研究課題/領域番号 |
18019019
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青柳 富誌生 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90252486)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2007年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 神経科学 / 脳・神経 / 情報工学 / 数理モデル / 同期 / 力学系 / アトラクター / ベイズ統計 |
研究概要 |
現実の神経系は単体の神経細胞で非線形力学系と見なせ、しばしばダイナミクスの本質を捉えるのが困難である。そのため理論モデルが複雑になり、結果としてネットワークレベルの本質的な現象の理解の障壁になっている点である。しかしながら、近年の非平衡物理学や非線形力学の発展により、複雑な力学系から本質を捉えた簡単な力学系へ自由度を逓減する幾つかの弱非線形解析の理論が提唱されている。この手法を用い、ニューロンのダイナミクスに関して簡単で解析可能な力学系に簡略化することで、発火タイミングが重要である神経系のネットワークの性質を理論的に解析した。特に、多様な抑制性ニューロンFS cellやLTS cell(あるいはMartinotti cell等)や各種の神経伝達物質のネットワークにおける役割に関して理論的に検証を行った。具体的には、(1)位相ダイナミクス解析を用い、位相応答曲線によるニューロンの同期特性の解析を行った。その際、現実の生理学的知見を取り入れたモデルと共に、多少抽象的な位相振動子モデルも用い、系全体のネットワークの特性との関係を調べた.(2)大規模な数値計算を行い理論の正しさや解析が困難な場合のネットワークの性質を詳しく調査する。また、学習ルールとネットワークの力学的特性の関係を理論的に検証した。(3)現代統計学を用いて、マルチユニットから得られた発火パターンの情報表現を調べた。特に、特に、海馬のデータは平均発火率だけでなく位相差の情報などが機能に重要であるとの報告もあることから、その点を考慮したラットの海馬のマルチニューロンデータの解析も行った.
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