研究課題/領域番号 |
18019033
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
鮫島 和行 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (30395131)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2007年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 脳生理学 / 大脳基底核 / 強化学習 / 計算論 / 意志決定 / 報酬 / fMRI / 前頭葉 / 線条体 / 意思決定 / 行動価値 / 脳の計算論的モデル / 神経生理 |
研究概要 |
様々な入力情報から将来得られる報酬の大小を判別し、適切に意思決定する能力はヒトを含む生物の生存とって重要な脳機能の1つである。報酬に基づく意思決定とその結果からの学習行動は、近年強化学習というアルゴリズムによって説明されている。大脳基底核では、強化学習で用いられる価値の表現と比較による行動決定と、価値の更新による行動学習が行われているという仮説が提唱され、検証実験がおこなわれてきた。しかし、大脳基底核線条体の一部分はより認知的な情報処理にかかわる領域からの結合がある。そこで私は「複数の大脳皮質-基底核ループ回路は、運動のみでなく、注目すべき特徴や保持すべき記憶情報を意図的に決定するような、認知的な意志決定の際にも働く。複数のループは、複数の異なる表現における価値関数を表現し、比較し、決定する、異なるレベルでの意思決定が行われる」という仮説を新たに提唱した(Samejima & Doya 2007)。この仮説を検証するために、ヒトを被験者としたfMRI実験を行い、「複数の選択肢から報酬を予測し選択をする」認知的に意思決定する瞬間と、「複数の運動から1つを選択して運動する」運動そのものを決定する瞬間を分離した課題を遂行中の脳活動を計測した。認知的意思決定を行うevent related 活動のうち、報酬予測(のちに選択するターゲットの報酬量)を用いて脳活動の回帰分析をおこなったところ、腹側線条体の側座核(NAcc)と腹側被殻を含んだ領域で優位な相関がみられた。この結果は、運動を決めることができないような認知的意思決定時にも、被殻領域に価値の表現が現れることを示唆する。
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