研究課題/領域番号 |
18019038
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
吉田 正俊 生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (30370133)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 膝状体外経路 / 空間的注意 / 視覚意識 / 急速眼球運動 / 盲視 / 残存視力 |
研究概要 |
マカクザルの第一次視覚野を除去して作成した盲視動物モデルを用いて視覚的気づきの神経機構を明らかにすることを目的とした。視覚的気づきはサッケードを用いた検出報告課題を用いて評価した。この課題では損傷視野に標的刺激が現れる条件では標的にサッケードすれば報酬が与えられ、標的刺激が現れない条件(ST-)では注視点が消えてからも注視を維持することによって報酬が与えられる。損傷側の半球の上丘中間層より課題遂行中のニューロン活動を記録した。 上丘ニューロン活動は、標的刺激が提示される条件(ST+)のうち、正しく標的の提示を報告できた試行(Hit)と報告できなかった試行(Miss)とでは、標的提示時の視覚応答がHit試行でより大きくなっていた。この活動はサッケード準備活動などでは説明できない。また、このような活動は健常側の上丘では見られなかった。よって、このような神経活動の修飾はV1切除によって特異的に引き起にされた視覚的気づきに対応した神経活動であると結論づけることができる。 サッケードの応答潜時の分布をdiffusion modelでモデル化することによって意思決定の過程を推測することが可能である。盲視モデルサルの強制選択課題(視覚標的は損傷視野のどこかに必ず現れる)での応答潜時の分布をモデル化し、意思決定における閾値(Decision threshold)が損傷測の視野で低下していることを見出した。ひきつづき、同様なモデル化を検出報告課題でも行うことによって盲視モデルサルにおける視覚的気づきと意思決定との関係を明らかにする予定である。
|