研究課題/領域番号 |
18019042
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
塚元 葉子 (藤原 葉子) 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (90209130)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 海馬 / てんかん / 介在細胞 / 神経回路 |
研究概要 |
研究代表者らは、側頭葉てんかん実験モデルとして成熟ラット海馬スライス標本における高頻度シナプス刺激誘発性同期的神経活動(AD)に注目し、その発生機構を検討してきた。これまでに、AD発生に重要な役割をもつ介在細胞群を同定し、これら介在細胞と錐体細胞が興奮性GABA伝達とグルタミン酸伝達による相互興奮回路を形成することにより同期発火を実現していることを明らかにした。 これらの成果を踏まえて、本年度も昨年度に引き続き、AD発生直後から消失までの時間経過のうち、特に「リズム開始」の時間帯に着目し、薬理学的にシナプス伝達を遮断した状態においてもリズム発生の開始が起こるかどうか検討した。GABA_A受容体の拮抗薬ビククリンの存在下では、テタヌス刺激を行ってもADの発生は認められなかった。一方、AMPA/カイニン酸受容体拮抗薬CNQXとNMDA受容体拮抗薬AP5の存在下では、テタヌス刺激直後から10秒前後の時間帯において、錐体細胞が振動性の入力を受けていることを発見した。この振動性入力の逆転電位が-74mV付近であることや、高Cl濃度のパッチ内液を用いた場合には脱分極性振動として観察されることなどから、GABA作動性の入力であると結論できた。この結果は,テタヌス刺激直後の時間帯に、ある介在細胞ネットワークが、グルタミン酸入力非依存的にリズムを形成している可能性を示す。今後、この発生メカニズムを細胞レベルで検討することにより、局所神経回路における『リズム』生成機構の、少なくとも一部を解明できると考えられる。
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