研究課題/領域番号 |
18019043
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮地 重弘 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (60392354)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経科学 / 解剖学 / 行動学 / 記憶 / 高次機能 |
研究概要 |
本研究の目的は、記憶情報に基づいた行動決定の基盤となる、前頭前野、側頭連合野、海馬の3領域をつなぐ多シナプス性神経回路の構成と、その機能を明らかにすることである。 背外側前頭前野(9野および46野背側部、腹側部)は、記憶に基づく行動決定に重要な領野とされるが、背外側前頭前野のいずれの領野も視覚長期記憶や連合記憶に重要な内側側頭葉および下側頭葉皮質からの直接の神経入力を受けない。 19年度には、前年度に引き続き、側頭葉領域から(背外側および背内側)前頭前野への多シナプス性神経入力を解剖学的に解析した。前年度と同様、サル前頭前野の内側9野、背側46野、腹側46野に狂犬病ウイルスを注入し、4日後、3次ニューロンに感染が及んだ段階で、海馬領域のウイルスラベルの分布を解析した。背側46野への注入では、海馬CA1、CA3領域および歯状回門に多量のラベルが見られた。腹側46野への注入では、CA1、CA3、歯状回門に少数のラベルが見られた。内側9野への注入では、海馬領域にはほとんどラベルはなかった。 また、狂犬病ウイルスを用いて、前頭前野から運動野への多シナプス性入力様式を解析した。その結果、背側46野だけは周囲の他の前頭前野領域と異なり、一次運動野との神経連絡が非常に弱いことが明らかになった。これらの結果は、背外側前頭前野のうち背側46野が長期記憶の読み出し、記憶による行動制御に特に重要な領域であることを示唆する。これらの結果については現在論文を作成中である。現在、記憶における側頭葉と前頭前野の機能を解析する為の行動課題をサルに訓練中である。
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