研究課題/領域番号 |
18020017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大澤 五住 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (20324824)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 視覚皮質 / 高次脳機能 / LSRC / 逆相関法 / 一次視覚野 / 二次視覚野 / 可塑性 / 方位選択性 / 初期視覚野 / 脳梁 / 受容野 / 手掛不変性 |
研究概要 |
視覚系の大脳神経細胞の刺激選択性について、高次刺激特徴を明示的に表現できる新たな受容野を可視化し、それにより視覚情報処理の段階的変遷と機構を中心に研究している。特に、当研究室が開発した局所スペクトル逆相関法(LSRC)と方位・周波数領域における受容野計測を利用することにより、新たな受容野特性を可視化することができた。 一つの研究では、ネコとサルの1次、2次視覚野の受容野内における、局所的方位選択性の非一様性を検討した。不均一な方位選択性は、高次視覚野細胞が持つ曲率選択性の基礎となると考えられる。非動化したサルのV1,V2単一細胞記録による、生理学研究所の伊藤南氏とのLSRC法及び周波数領域逆相関法を使った共同研究により、サルのV2野において不均一な方位選択性を持つ細胞が見られた。 第二の研究では、臨界期に方位を例えば垂直のみに限定して育てられた子猫の視覚皮質は、垂直な刺激にのみ反応する細胞ばかりになってしまうB1akemoreらの研究を発展させた。過去の研究では細胞の好む方位が経験したものばかりになるという事以外、細胞の特性は検討されなかったが、細胞には最適方位以外にも細胞には多くの重要な特性がある。これらの特性の多くは受容野を詳細に計れば知る事ができる。今回の実験により、垂直方位限定環境に置かれた子猫の初期視覚野細胞受容野の形そのものが、縦に長く伸びたものになることを発見した。これは、最適方位が垂直になる事とは別の効果であり、こうして育ったネコの方位選択性が正常ネコのそれよりもシャープになるという事も意味しており、方位限定環境下での生育により、異常ではあっても正常ネコの方位選択性を上回る細胞ができていることを意味している。
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