研究課題/領域番号 |
18021039
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
金田 勝幸 生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (30421366)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 上丘 / バースト発火 / サッケード / GABA作動性ニューロン / GABAB受容体 / 局所神経回路 / 黒質網様部 |
研究概要 |
中脳上丘中間層(SGI)ニューロンのバースト発火は眼球サッケード運動などの指向運動の開始に重要である。黒質網様部(SNr)由来のGABA作動性入力はトニックにSGIの活動を抑制しており、この抑制からの解除がSGIニューロンのバースト発火の生成に必要であると考えられている。SGIにはグルタミン酸作動性投射ニューロン以外にGABA作動性ニューロンも多数存在する。しかし、SNrがこれらのGABA作動性ニューロンにも入力しているのか否かはこれまで明らかにされていない。そこで本研究では、神経トレーサーを用いた解剖学的解析とスライス標本での電気生理学的解析によりこの点を検討した。GABA作動性ニューロンがGFP蛍光を特異的に発現するGAD67-GFP knock-inマウスのSNrに順行性トレーサーのBDAを注入し、その神経終末を共焦点顕微鏡で調べたところ、SNr由来の神経終末がSGIのGABA作動性ニューロン上にシナプスを形成していることが分かった。次に、SNrとSGIをともに含むスライス標本を作製し、実際に抑制性シナプス伝達が観察できるかどうかを検討した。SGIのGFP陽性GABA作動性ニューロンからホールセルパッチクランプ記録を行いSNrを電気刺激すると、単シナプス性の1PSCsが誘発された。このIPSCsはGABA_A受容体アンタゴニストでブロックされた。また、バイオサイチン染色による形熊観察から、これらのGABA作動性ニューロンはほとんどがその細胞体近傍に軸索を投射していることが分かった。以上の結果は、SNr由来のGABA作動性投射がSGIのGABA作動性ニューロンに入力していることを示しており、SNrが単にSGIの興奮-抑制のバランスを制御しているのみではなく、上丘局所回路での反回性抑制あるいは側方抑制の調節にも関与している可能性を示唆している。
|