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遺伝子改変マウスを用いた体性感覚野神経回路成熟の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18021041
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

岩里 琢治  理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 副チームリーダー (00311332)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2007年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
キーワード神経科学 / 分子生物学 / 発生工学 / 体性感覚系 / バレル / 遺伝学 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 大脳皮質 / 可塑性
研究概要

バレルは,齧歯類の大脳皮質体性感覚野の第4層に存在する特徴的な組織学的構造であり,その形成は活動依存的神経回路発達の有用なモデルである。しかし,分子レベルの機構はほとんど不明である。アクチン細胞骨格の制御を介した機構の関与が示唆されるが,本年度は,その機構に関して重要な知見を得ることができた。Rhoファミリー低分子量G蛋白質は,アクチン細胞骨格を制御する鍵となる分子だが,その上流の制御に関しては不明の点が多い。われわれは,Rac (Rhoファミリーの主要なメンバー)特異的抑制因子であるαキメリンの遺伝子の突然変異マウスを発見し,その表現系が,エフリンB3欠損マウスおよびEphA4欠損マウスと類似していることに気づいた。αキメリンがエフリンB3-EphA4シグナルの下流のシグナル伝達に関与するという仮説をたて,その検証を行った。培養細胞を用いた過剰発現系および神経細胞や脳組織を用いた内在性蛋白質を用い,EphA4とαキメリンが結合することを示した。また,培養細胞を用いた系で,エフリンB3-EphA4シグナルがαキメリンによるRac抑制を誘導することを見いだした。さらに,エフリンB3-EphA4シグナルがαキメリンを介してアクチン細胞骨格を制御していることを,変異マウス由来の神経細胞を用いた成長円錐崩壊実験で確認した。以上の結果から,エフリンB3-EphA4シグナルがαキメリンを介してRacを抑制し,それによってアクチン細胞骨格を制御していることが明らかとなった。これは細胞骨格制御に,エフリン-EphシグナルによるRhoファミリー抑制系が関与することを初めて示したものであり,細胞骨格制御の新しい機構を提示した。エフリン-Ephは,体性感覚系回路の微調整だけでなく,トポグラフィック投射にも重要な働きをすることが示されており,その過程におけるαキメリンの関与にも興味が持たれる。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Rac-GAP α-Chimerin Regulates Motor-Circuit Formation as a Key Mediator of EphrinB3/EphA4 Forward Signaling.2007

    • 著者名/発表者名
      Takuji Iwasato, et. al.
    • 雑誌名

      Cell 130

      ページ: 742-753

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Murine Model of Alexander Disease : Analyses of GFAP Aggregate Formation and Its Pathological Significance.2007

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, K.F. et al.
    • 雑誌名

      Glia (印刷中)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] The Rho-GTRase cdc42 regulates neural progenitor fate at the apical surface2006

    • 著者名/発表者名
      Cappello, S. et al.
    • 雑誌名

      Nature Neuroscience 9・9

      ページ: 1099-1107

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [図書] Patterning of the Somatosensory Maps with NMDA receptors. In Development and Plasticity in Sensory Thalamus and Cortex.2006

    • 著者名/発表者名
      Erzurumlu, R.S., Iwasato, T.
    • 総ページ数
      322
    • 出版者
      Spinger
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [産業財産権] 特許2007

    • 発明者名
      岩里琢治
    • 権利者名
      独立行政法人理化学研究所
    • 産業財産権番号
      2007-217576
    • 出願年月日
      2007-08-23
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2018-03-28  

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