研究課題/領域番号 |
18022001
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
若松 義雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60311560)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / 細胞骨格 / アクチン / filamin / ニューロン / 細胞分化 / 細胞接着 / 細胞極性 / 中間径繊維 / 非対称 / Transitin / 幹細胞 / 分化 |
研究概要 |
これまでの研究で、細胞内因子Numbと中間径繊維タンパク質Transitinの複合体がニューロンの分化を制御していることを示した。この複合体は分裂期の初めに細胞表層の基底膜側に非対称に局在し、その後細胞の側方に輸送されて片方の娘細胞に不等分配されていた。また、このTransitin/Numb複合体の局在と側方輸送は、細胞表層のアクチン骨格とミオシン2によっておこなわれていた。 そこで、細胞表層のアクチンと細胞膜の仲介をする分子FilaminBに注目した。FilaminBはmRNA、タンパク質の両方が神経上皮細胞の頂端側にアクチン繊維と共局在することを発見した。FilaminBの3'UTR領域を持つGFP発現ベクターを導入したところ、そのmRNAが神経管の頂端側に局在したことから、3'UTR部分にmRNA局在に関わる配列が存在すると考えられた。一方、サイトカラシンDによってアクチン繊維を壊すとFilaminBの頂端側の局在が失われたことから、FilaminBの局在にアクチン繊維が必要であることがわかった。次に、RNAiベクターを神経管に導入してFilaminBの発現を抑制すると、神経上皮構造に乱れが生じ、分化したニューロンが神経管の内腔に分布しているのが観察された。細胞接着分子であるZO-1やN-カドヘリンの発現低下も観察され、FilaminBが神経上皮細胞同士の接着性の維持をおこなっていることがわかった。また、ニューロン分化の抑制が認められた。分裂中の神経上皮細胞ではTransitinの細胞内局在が乱れており、Transitin/Numb複合体の輸送に問題があることが示唆され、これがニューロン分化の異常の原因であると考えられた。
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