研究課題/領域番号 |
18022008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久恒 辰博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (10238298)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2007年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 海馬 / ニューロン新生 / 運動 / 神経幹細胞 / グルタミン酸 / 細胞増殖 / 神経回路再生 / 成体(大人) / 脳梗塞 / 細胞分化 / 電気生理学 |
研究概要 |
成体海馬における新生ニューロンの数は、特定の生活習慣(運動や学習)や病態時(脳梗塞や癲癇)に増加することが知られていた。そこで、これまでに、脳梗塞の動物モデル(サル、ラット、マウス)を用いて、どのような仕組みにより、新生ニューロンの数が増加するかについて、検討を進めてきた。サルの中大脳動脈閉塞モデルを用いて、研究を行ったところ、梗塞を誘導した側の海馬では、新生ニューロンの数が、健常時に比較して4倍以上になっていることがわかった。新生ニューロンは、成体海馬において、成体神経幹細胞(タイプ1細胞)から、ニューロン前駆細胞(タイプ2細胞)を経て、分化することが知られている。そこで、本年度は、マウスの自発運動モデルを導入し、どの細胞が応答しているかについて解析を進めた。すると、運動後に、成体神経幹細胞の増殖が顕著に増していることがわかってきた。そこで、さらにこの機構の分子メカニズムを明らかにするために、脳スライスを用いた研究を実施した。これまでに行った予備研究により、海馬回路(貫通線維)を電気刺激することにより、神経幹細胞に、カルシウム応答が誘起されることが示唆されていた。この反応が、カルシウムオシレーション様のパターンであったことから、イノシトール3リン酸(IP3)に関連したカルシウム応答であることが推定された。さらに、成体神経幹細胞の突起は、貫通線維(グルタミン酸神経)部位に到達していることがわかった。この突起部分にグルタミン酸を投与したところ、細胞体の部分にカルシウム応答が見られることがわかった。阻害薬などを用いた実験から、神経幹細胞はmGluR5分子を利用して神経刺激を受け取っていることが示唆された。
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