研究課題/領域番号 |
18022010
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10183865)
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研究分担者 |
佐藤 純 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任准教授 (30345235)
吉田 章子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (70372430)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2007年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 視覚中枢 / 嗅覚中枢 / ショウジョウバエ / JAK / STAT / 神経幹細胞 / メダラ神経 / ラミナ神経 / 長期記憶 / メダラ / proneural wave / proneural gene / マッシュルームボディ / Focal adhesion kinase |
研究概要 |
本研究ではショウジョウバエの嗅覚系の3次中枢であるキノコ体の形成機構と、匂い記憶形成における機能を解析することにより、記憶形成機構の統合的な理解を探る。また、視覚系の形成機構についても明らかにすることを目的としている。匂い記憶形成におけるキノコ体神経のシナプス可塑性、回路モジュールを明らかにするために、匂い記憶の条件付けを半自動化する装置の開発を行った。これを用いて、記憶形成、特に蛋白合成を必要とする長期記憶を対象とした研究を進めている。現在、本装置を用いた効率の良い条件付けの手法を開発し終え、cAMP経路を中心とした旧来の知見と良く一致する結果を得ている。キノコ体で発現する遺伝子群の解析などを通して、キノコ体を形成する神経軸索の投射を制御するメカニズムの解析を行った。Wntシグナルや、細胞死関連遺伝子の機能解析を行っており、シグナルカスケードを明らかにしつつある。ショウジョウバエの視神経は視覚中枢のラミナ神経節およびメダラ神経節に投射する。両神経節は両者の中間に発生する神経上皮細胞に由来するが両者の形成機構は大きく異なっている。視神経の投射によりもたらされるヘッジホッグシグナルにより、外側の神経上皮はラミナ神経へと分化する。一方、神経上皮細胞列の内側から、細胞が順次proneural遺伝子を発現することを見出しproneural waveと名付け、この発現がメダラ神経前駆細胞の規則正しい形成に必要であることを明らかにし、さらに、JAK/STATシグナルがproneural waveの進行を負に制御していることを明らかにした。この機構により、共通の神経上皮から派生する2つの異なった神経節を形成する神経細胞の形成のバランスが計られていると考えられる。
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