研究課題/領域番号 |
18023012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郭 伸 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40160981)
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研究分担者 |
山下 雄也 東京大学, 医学部・附属病院, リサーチフェロー (20431843)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2007年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 脳神経疾患 / 筋萎縮性側索硬化症 / グルタミン酸受容体 / AMPA受容体 / RNA編集 / GluR2 / ADAR2 / 動物モデル / 脊髄運動ニューロン |
研究概要 |
孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)運動ニューロンでは、AMPA受容体G1uR2サブユニットQ/R部位のRNA編集が低下しており、これはRNA編集酵素adenosine deaminase acting on RNA type 2(ADAR2)の活性低下によると考えられる。この分子変化が神経細胞死を引き起こす直接原因と考えられるので、G1uR2 Q/R部位のRNA編集異常がADAR2活性低下のみによりもたらされるかどうかを、Cre/LoxP系により一部の運動ニューロンでADAR2が欠損するコンディショナルノックアウトマウスで検討した。2ヵ月齢4匹の変異マウスからレーザーマイクロディセクターを用いて切り出した運動ニューロン3個からなるグループでのG1uR2 Q/R部位のRNA編集率は、0%、17-53%、56-98%、100%であり、ADAR2遺伝子のCreによる組み換えによりG1uR2 Q/R部位の編集率が0%になること、これらのグループでは3細胞のうち、それぞれ、3,2,1,0個でCre発現によるADAR2欠損が生じていた。この検討により、ADAR2 G1uR2 Q/R部位のRNA編集は専らADAR2により触媒されることが明らかになった。我々が既に報告している孤発性ALS脊髄前角におけるADAR2mRNA発現量の低下と合わせると、孤発性ALS運動ニューロンでは、ADAR2活性が低下していると考えられる。さらに、この変異マウスは緩徐進行性の運動ニューロン死を引き起こすことから、孤発性ALS運動ニューロンにおけるこの分子異常は神経細胞死の直接原因である可能性が高い。
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