研究課題/領域番号 |
18023025
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 義隆 大阪大学, 医学糸研究科, 准教授 (60335354)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2007年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | 遺伝子 / 神経科学 / 蛋白質 / 脳神経疾患 / 遺伝子治療 / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / アミロイド |
研究概要 |
ポリグルタミン(PolyQ)病はハンチントン病、種々の脊髄小脳変性症などの神経変性疾患の総称で、PolyQ鎖の異常伸長(>40)により原因蛋白質がβシート構造への異常コンフォメーション変移を獲得し、その結果難溶性凝集体を形成して神経細胞内に封入体として蓄積し、最終的に神経変性を引き起こすと考えられている。我々はこれまでに異常伸長PolyQ鎖結合ペプチドQBP1が異常伸長Po1yQ蛋白質の異常βシート変移・凝集体形成を阻害し、PolyQ病モデルショウジョウバエでの神経変性を抑制することを明らかにしてきた。 本研究では1.QBPlを発現するトランスジェニックマウスを作成し、PolyQ病モデルマウスR6/2との交配を行った。その結果、運動障害、体重減少、寿命短縮などの表現型には有意な差を認めなかった。また2.QBP1を発現するアデノ随伴ウイルス5型ベクターAAV5-QBP1を作成し、生後7日齢のR6/2マウスの片側線条体にAAV5-QBP1を注射し、遺伝子治療を行った。経時的に免疫染色を行った結果、AAV5-BP1感染細胞でのPolyQ封入体形成率はコントロールのAAV5-GFP感染細胞に比べ、4週齢13.7%vs 36.0%、8週齢33.7%vs68.5%、14週齢44.5%vs 73.8%と著明な減少を認めた。一方、3.PolyQ凝集阻害低分子化合物のハイスループットスクリーニングを行っており、これまでに約46,000化合物から約100種類の新規PolyQ凝集阻害化合物を同定している。これらの1次ヒット化合物について、PolyQ病モデルショウジョウバエに対する治療効果を検討し、複眼変性を有意に抑制する化合物QAI1、QAI2を同定した。 以上の結果から、PolyQ病の遺伝子治療の可能性が示された。また、新規PolyQ凝集阻害化合物はPolyQ病治療薬のリード化合物として期待される。
|