研究課題
特定領域研究
本研究では,現在臨床応用でもっとも普及しつつあるピッツバーグ大学化合物であるPIBによるイメージング研究との比較研究も実施した。19ヶ月齢APP23モデルマウスあるいは12ヶ月齢のPS1xTg2576のdouble transgenicマウスの尾静脈から標識PIBを投与し,両者の画像シグナルを比較した。double transgenicマウスあるいはTg2576マウス脳では,従来Klunkのグループから報告されているように,十分なシグナルは検出できなかった。この結果は,アルツハイマー病患者でのヒトPET解析結果とは一致しない。そこで,陽性シグナルを示したAPP23とネガティブであったTg2576マウスを解剖しアミロイド斑を免疫抗体法によって検出・比較したところ,両者に検出されるに十分な老人斑を確認することができた。ただし,ピログルタミン酸修飾アミロイド量において明白な相違を検出することができた。つまり遺伝改変モデルマウスだけではなく,ピログルタミン酸という化学反応による修飾あるいは月数という時間が必要なことが示された。このことは,病変加速マウスとしての限界を示すと同時に,神経病理変化形成にとって時間のファクターも重要であることをしめすものである。今後,臨床的PIBイメージングの評価には,たえずピログルタミン酸修飾アミロイドの存在を念頭に置きつつ画像診断を進める必要がある。
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