研究課題/領域番号 |
18023045
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 亮太 大阪大学, 医学糸研究科, 特任助教(常勤) (10370983)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
2007年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2006年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 統合失調症 / ディスバインジン / モデル動物 / 行動解折 / 行動解析 |
研究概要 |
ディスバインジン(Dysbindin:DTNBPI: dystrobrevin-binding protein 1)は、世界中の多数の民族において統合失調症との関連が確認されているもっとも有力な統合失調症脆弱性遺伝子の一つである。統合失調症の死後脳研究において、ディスバインジン発現レベルの低下が認められることが報告されている。我々は抗精神病薬を長期投与したマウス脳においてディスバインジンmRNA発現の変化が認められないことを報告した。よって統合失調症脳におけるディスバインジンの発現レベルの低下は抗精神病薬投与による影響を受けているのではなく、統合失調症の病態に関連していると考えられる。これらの結果から、ディスバインジンのノックアウトマウスが統合失調症のモデルマウスとして有用である可能性が示唆される。よってこのマウスを用いて、行動解析を行った。オープンフィールド試験においては、ノックアウトマウスは前半の15分間において行動量が低下しているが、後半の15分においては行動量の変化は認められなかったため、新奇環境における探索意欲が減退していると考えられた。高架式十字迷路において不安の増強が認められた。社会的行動測定テストにおいてノックアウトマウスではコンタクト回数が減少していたが、PPIにおける異常は認められなかった。これらの結果は、ディスバインジンのノックアウトマウスでは、不安の増強に加え、意欲や社会行動の障害が認められることを示唆する。統合失調症のモデルマウスにおいては、このようなフェノタイプを示すものは報告されていない。よってこのマウスは新たな統合失調症のモデル動物として興味深いと考えられる。さらにディスバインジンの過剰発現マウスの作成に成功し、今後、統合失調症モデルとなる環境負荷に対して保護的に働くかどうかについての検討を行う。
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