研究課題/領域番号 |
18028006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
二瓶 雅之 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00359572)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | スピンクロスオーバー錯体 / 光誘起スピン転移 / 分子性導体 / 複合系 / 光応答性分子 |
研究概要 |
鉄(II)スピンクロスオーバー(SC)錯体は、低スピン(LS)・高スピン(HS)状態を熱、光、圧力等の外場により可逆に変換可能なことから、分子スイッチとしての応用が期待される物質系である。本研究では、(1)鉄(II)SC錯体-分子性導体からなる複塩の合成、(2)TTF部位をもつSC錯体と分子性導体が連結された複合系の構築。(1)においては、双安定性分子であるSC錯体と、同じく構造相転移を伴う磁気相転移を示すことで知られるNiジチオレン錯体からなる複合結晶を合成した。その結果、二つの双安定性が強く相互作用することで、多重安定性分子となることを明らかにした。本化合物は、熱による多段階磁気相転移を示すのみならず、光によっても多様な準安定性を示すことから、光誘起多重磁気相転移を示す系である。一方、TTFドナー部位をもつSC錯体[Fe(dppTTF)_2][Ni(mnt)_2]_2(BF_4)・PhCNの磁性と電気伝導性について検討を行った。本錯体は、温度に依存してSCを示すと共に、それに伴い電気伝導性が変化することが分かった。これは、SCに伴う比較的大きな構造変化が、電気伝導経路に強く影響を与えることで、相乗的に二つの物性が変化することによると考えられる。以上の成果は、異なる機能を結晶中で強く結合させることにより、足し合わせではなく相乗的な物性を発現できることを明らかにしたものであり、今後の発展が期待される。
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