研究課題/領域番号 |
18029025
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | (財)高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
小原 真司 高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・極限構造チーム, 副主幹研究員 (90360833)
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研究分担者 |
高田 昌樹 (独)理化学研究所, 高田構造科学研究室, 主任研究員 (60197100)
渡邉 匡人 (渡邊 匡人) 学習院大学, 理学部物理学科, 教授 (40337902)
水野 章敏 学習院大学, 理学部物理学科, 助教 (10348500)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2007年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 金属ガラス / 液体 / 高エネルギーX線回折 / 過冷却液体 |
研究概要 |
本年度は、金属ガラス融体および過冷却液体の構造データを得るために開発した液体試料を無容器で不活性ガスで浮遊させる装置は長時間試料を安定に浮遊させる技術、ノウハウが確立し、安定して実験できるようになった.そして、SPring-8における高エネルギー放射光を用いた一連の回折実験から金属ガラスになる液体(Zr-Cu合金,Zr-Ni合金)およびならない液体(Zr-P合金)の構造解析を行い、金属ガラスにならない液体はその原子配列がまったくランダムであるが、金属ガラスになる液体はある種の秩序が存在することを実験的に明らかにした.さらにこの秩序はZr-Cu合金とZr-Ni合金では液体状態においてもガラスにおける両者の構造の差と同様に、明確に異なっており、Zr-Ni合金においては化学的な短距離秩序が存在していることが示唆された.詳細な構造解析は逆モンテカルロシミュレーションおよび経験的ポテンシャルを用いたシミュレーションを併用して現在も行っており、これらの成果をまとめて論文にする予定である. また、金属融体が過冷却液体を経て結晶化する過程を高速二次元検出器を用いて最高で20msecの時間分解能で捉える環境を整えた.そして、Zr-Cu合金、Zr-Ni合金、Zr-Cu-Al合金、Zr-Ni-Al合金が液体から過冷却液体を経て凝固する際のX線回折パターンの違いをリアルタイムで検出し、さらに、過冷却液体中に析出する結晶核の分散の差および結晶粒径が各合金において異なることを示した.凝固過程の実験は今後も継続して行うことにより、合金の差による系統的な差が明確にできると考えている.
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