研究課題/領域番号 |
18031041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
上岡 龍一 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70099076)
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研究分担者 |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (30279377)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2007年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2006年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 癌 / シグナル伝達 / 糖 / 脂質 / 生体分子 |
研究概要 |
1.ラクトース骨格を有する界面活性剤 (LactC_<10>) を合成し、リン脂質と非イオン性ミセル界面活性剤からなる複合脂質膜(ハイブリヅドリポソーム、HL)にLactC_<10>を組み込んだ三成分系ハイブリッドリポソーム(THL)を創製した。THLの固定水層は、HLに比べて増大し、さらに、ヒト肝臓がん細胞に対する制がん効果との相関性が観測された。物理化学的特徴(固定水層の厚さ physicochemical characteristics)と生物学的特性(がん細胞増殖抑制効果 biological specifics) との関係の重要性を初めて実証した。 2.リン脂質と非イオン性ミセル界面活性剤からなるHLに多価不飽和脂肪酸 (PUFA) を組み込んだ三成分系ハイブリッドリポソーム (HL-PUFA) を創製し、種々の培養がん細胞に対する制がん効果をin vitroで検討した。n-3系のドコサヘキサエン酸を含む HL-PUFA は、肺がん細胞に対してネクローシスを、肺腺がん、大腸がんおよび胃がん細胞に対してはアポトーシスを誘導し、PUFA を含む HL ががん細胞に対して異なる細胞死を誘導することを初めて明らかにした。 3.リン脂質と非イオン性ミセル界面活性剤からなるHLの制がん効果に関して、(1)ヒトBリンパ腫RAJI細胞に対するアポトーシス誘導による顕著な増殖抑制効果が明らかとなった。(2) RAJI細胞移植がんモデルマウスに対する治療実験において、コントロールに比べて150%の顕著な延命効果が得られた。また、正常ラットに対する慢性毒性試験からHLの安全性が確認された。(3) 生命倫理委員会承認後、約10例の臨床応用において、副作用が無く、症状の改善が見られた。とくに、再発悪性リンパ腫患者に対する臨床試験では、固形腫瘍が1/8に縮小する治療効果と延命効果が確認された。
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