研究課題/領域番号 |
18032038
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小鹿 一 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50152492)
|
研究分担者 |
内田 浩二 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40203533)
間宮 隆吉 名城大学, 薬学部, 助教 (70340297)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2007年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 海洋天然物 / 生体分子 / 脳神経疾患 / 生理活性 / 薬理学 |
研究概要 |
沖縄で駆除の対象になっているオニヒトデから発見されたAcanthasteroside B3は、神経モデル細胞PC12に対し神経突起伸長活性を示す。その作用機構およびマウスに対する記憶改善効果について引き続き検討し、興味深い結果を得た。 (1)作用機構:これまでに、acanthasteroside B3による神経突起伸長作用にはNGF受容体TrkAの活性化は必要ではなく、MEK-ERK経路、PI3K-Akt経路、Cdc42-p38 MAPキナーゼ経路の活性化が起こっていることが判明している。そこで、マウス脳内でのこれらキナーゼの活性化を調べるため、マウス脳内にacanthasteroside B3を注入したのち、脳を取り出し調べた結果、ERKが有意に活性化していた。 (2)記憶改善効果:Acanthasteroside B3の記憶改善効果について加齢マウス(約10ヶ月齢)や老化促進モデルマウスSAMP8をもちいて調べた。これらの実験は前年度に行っているが、19年度は再現性を確認する実験をおこなった。その結果、同様の記憶改善効果が見られた。以上のことから、オニヒトデの神経突起伸長活性ステロイド配糖体は、神経疾患治療薬のシーズとして有望であることが判った。本結果と前項の結果を総合すると、マウスに投与されたacanthasteroside B3は、脳内に移行しMAPキナーゼ系を活性化し神経細胞ネットワークを修復している可能性が示唆される。今後、本物質の体内動態の解析が待たれる。
|