研究概要 |
沖縄県国頭郡で採集したオオバギ[Macaranga tanarius (L.) MuLL.-ARG.]の乾燥葉をメタノールで抽出し、常法に従って溶媒分配を行い、酢酸エチル可溶画分(437g)得た。本画分をDiaion HP-20カラムクロマトグラフィー、順相系および逆相系のシリカゲルカラムクロマトグラフィー、Sephadex LH-20カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等で分離、精製し、既知プレニルフラバノン1種(9)、既知ジテルペン1種(10)、既知ステロール1種(11)とともに8種の新規プレニルフラバノン(1〜8)を単離し、その化学構造を明らかにした。 11種の化合物中、最も強い活性がみられたのは化合物はKB細胞、A549細胞でそれぞれIC50=10.5μM,:11.5μMであった。全体的に見てもKB細胞とA549細胞に対する増殖抑制活性には同様の傾向がみちれ、この2種の細胞間には選択性はみられないと考えられた。B環と、B環に結合したゲラニル基により環を形成している3〜8および3,4のプレニル上の2重結合の還元体3a,4aに関しては、3"位の立体の違いによる明らかな差は認められず、不飽和度の高い3〜6の活性が比較的低い傾向にあることが分かる。これは7,8および3a,4aは3〜6に比べて疎水性が高いことが一因として挙げられるが、7,8と3a,4aを比べた時にそれほど大きな差がみられないことから、単純に疎水性の問題ではなくΔ<1",2">およびΔ<5"6">が飽和されていることが活性に関係していることが考えられる。同様に、1と2を比較した場合にも、Δ1",2"が飽和されている1の方が活性が高いことが判明した。
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