研究課題/領域番号 |
18033040
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤田 典史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10346819)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 分子集合 / 超分子プリマー / 低分子ゲル / リン光 / 電界電子放出 / 自己集合 / 導電性高分子 / 遷移金属錯体 |
研究概要 |
本研究は、低分子ゲル化剤の分子設計に電子的・光学的な機能性が豊富な遷移金属錯体を導入し、新しいソフトマテリアルの開発を目的とするものである 1 π平面を有する金属錯体として8-キノリノール金属錯体に着目した。ゲル化駆動部位として長鎖アルキル基を有する没食子酸部位や分子間水素結合を形成するアミド部位を導入し、8-キノリノール骨格自身のπ-π相互作用による安定化も期待してキノリノール配位子を基体とする低分子ゲル化剤を設計した。中心金属には平面四配位型の配位構造を有する金属イオン3種(Pd(II),Pt(II),Cu(II))を検討した。得られたゲル化剤は炭化水素系や芳香族系、アルコール系、THFなどの極性溶媒もゲル化する良好なゲル化剤であった。 2 得られたゲルの詳細な構造分析を行った。ゲルの内部には繊維状の分子集合体が三次元的にからみ合った網目構造が確認された。X線回折と高分解能透過型電子顕微鏡により、カラムナー構造を有する一次元状分子集合体がrectangular型にパッキングし、バンドルを形成している様子が明らかとなった。 3 8-キノリノールPt(II)錯体は常温でリン光発光性を示すことが知られている。この化合物を核に有するゲル化剤で調製したゲルは溶液状態の8-キノリノールPt(II)錯体に比べ、酸素によるリン光の消光が著しく抑制された。 4 三種類の金属イオンを用いて合成した低分子ゲル化剤からそれぞれ調製したゲルをITO電極に塗布し、低分子ゲル修飾電極を作成した。ある閾電圧で、それぞれ半導体性を有する低分子ゲル繊維の先端からの電子の放出(電界電子放出)が確認された。
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