研究概要 |
圧力・温度などのガス雰囲気の制御により,水素,酸素,メタンガス包接共結晶の構築およびその単結晶X線構造解析手法をこれまでに展開し,本研究で用いる単結晶ホストは様々なガス包接結晶を安定化する強い共結晶化能を有しており,広範な分子ゲスト種を対象とする配位空間内での特異な分子凝集構造厳密観測手法として系統的研究への展開の可能性を明らかにしてきた。そこで,本特定領域研究の主題のーつであるナノ空間中での分子凝集・分子ストレスの現象理解に不可欠な構造情報を系統的かつ迅速に提供できる構造解析手法の開拓を目的として研究を研究を行った。特に,ゲストガス雰囲気の制御(温度・圧力・濃度)によってガス包接共結晶を生成させる簡便且つ迅速な手法の確立を目指し,強い立体的制限を受ける狭い配位空間において生成するゲスト分子凝集状態の厳密観測手法へと展開を目指した。具体的には,これまでに申請者が独自に見いだしている安息香酸-ピラジン金属錯体集積体である単結晶多孔質固体群を用い,ゲスト分子種の選択と温度・圧力などの勢力学的な因子の組み合わせによって,種々のゲスト分子凝集状態をガス吸着現象の媒介により生成させ,結晶内微小空間中(配位空間中)で生じる特異的分子凝集構造を単結晶X線構造解析によって解明していく手法の確立を行った。前年度までに成功しているNO・NO_2/SO_2の無機ガスおよび一級はアルコールなどの有機蒸気に対する構造決定手法に基づき,分子凝集構造の積極的な多様化を考慮シタゲスト分子選択を行い,分子サイズ・対称性・極性を系統的に変化させて微小空間中のホスト-ゲストおよひゲスト-ゲスト相互作用様式と分子凝集様式との相関を系統的に明らかにする手法へと展開した。
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