研究概要 |
CHホモカップリング反応を鍵反応として利用した,2量体から16量体のオリゴチオフェンの合成をめざして検討をおこなった。これらのオリゴチオフェンを効率的に合成するため,CHホモカップリング反応と,複数の遷移金属触媒を利用するカップリング反応を組み合わせることにより合成した。まず,チオフェンの二量化反応において,種々の置換基をもつブロモチオフェン誘導体のホモカップリング反応について詳細に検討をおこなった。 その結果,従来のフッ化銀を添加剤として用い一挙に反応系へ加える方法にくらべ,より安価な硝酸銀とフッ化カリウムを添加剤として,これらを2〜5回に分けて反応系へと加えることにより反応の収率が飛躍的に向上することがあきらかになった。これらの手法を用いることによりオリゴチオフェンの合成に成功した。 また,反応の詳細を解明することをめざし有機パラジウム錯体,有機白金錯体を合成し化学量論的な反応をおこなうことで機構の解明に関する研究をおこない,重要な中間体と考えられる有機金属錯体を単離構造解析することにも成功した。
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