研究課題/領域番号 |
18037045
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90116088)
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研究分担者 |
森内 敏之 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (60281119)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | レドックス / クロスカップリング / バナジウム / 酸化 / 酸素雰囲気 / 環境調和型触媒 / ハロペルオキシダーゼ / 臭素化 |
研究概要 |
π電子系炭素分子の分子変換は、創薬や有機材料の設計・合成における最重要な基盤技術の一つである。高酸化状態の前周期遷移金属は、その金属中心の電子状態を制御することにより一電子あるいは多電子酸化を効率的に引き起こすことができる。本研究では、前周期遷移金属のレドックス機能を活用し、「実用性」、「高原子効率」、「環境調和」を考慮した新規なπ電子系炭素分子の変換法の開発を目指す。とりわけπ電子系炭素分子の分子変換の中でも最も重要な素反応の一つと考えられる「ヘテロビアリールカップリング」および「芳香族のハロゲン化」に関して、酸化的電子移動反応に基づく合成法の開発に取り組んだ。 本年度は、一電子酸化過程に基づく触媒的な酸化的クロスカップリング反応の開発を目指し、ボレートの酸化的リガンドカップリングを検討した。バナジウム(V)触媒により、酸素雰囲気下、テトラアリールボレートの酸化的リガンドカップリングが進行し、対応するビアリールを与えることを見出した。非対称なテトラアリールボレートの官能基選択的なリガンドカップリングにより、対応するヘテロビアリールが得られることも明らかにした。本反応は、従来の求電子種と求核種のカップリング反応と相補的な反応として位置づけられ重要である。 芳香族ハロゲン化物は、π電子系化合物の変換において最も重要なビルディングブロックである。ハロペルオキシダーゼ酵素の活性部位では、高酸化状態のバナジウムを触媒としてハロゲン化物アニオンから酸化的にハロゲン化を行っている点に着眼し、この機能部位を抽出することで環境調和型触媒の開発に取り組んだ。バナジウム(V)を触媒、臭化カリウムを臭化物イオン源として、種々の芳香族の臭素化反応を水中で行ったところ、高収率で臭素化生成物が得られることを見出した。安価で毒性の低いバナジウムと臭化物イオン源を用いた酸化的臭素化反応法として有用である。
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