研究課題/領域番号 |
18037071
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浦口 大輔 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (70426328)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | オニウム塩 / 有機触媒 / 炭素-炭素結合形成 / リン(IV) / 有機強塩基 |
研究概要 |
真に有用な高度分子変換に基づく有機合成反応を開拓する上で高活性機能性触媒の開発は急務であり、新規概念に立脚した触媒構造・機能の提案による、従来に無い触媒系構築が待たれる分野である。本研究課題では、近年高い注目を集める水素結合型分子認識能を特徴とする触媒系開発の新たな局面として、リン酸の窒素誘導体であるトリアミノイミノボスホランを機能性部位の中心とする、新規水素結合受容型-Bronsted塩基-触媒の創製を試みた。既存の有機強塩基触媒の代表例であり、アミノ酸の側鎖としてタンパクの分子認識部位となるグアニジン骨格を機能性中心とする人工小分子触媒が平面構造を有し、反応場の制御を指向した分子設計が困難であったのに対し、本ボスホラン系触媒では中心元素であるリンが四面体配座であるがゆえの本質的に立体的な骨格を有しており、多様な触媒構造創出への展開が容易であることに注目して研究を推進した。 イミノホスホランの直接的な合成法は汎用性の低いものしか知られていなかったため、前駆体としてボスホニウム塩を経るルートによる合成を採用した。条件検討の結果、最終的に1級アミンと五塩化リンを3級アミン塩基の存在下に混合するのみで、簡便かつ収率良く水素結合供与部位を持つ種々のボスホニウム塩を合成することができた。得られたボスホニウム塩は、溶液中でKOtBuにより脱プロトン化することで目的のイミノボスホランに導き、NMRを用いてその構造を確認した。さらに、得られたイミノホスホランを触媒とする反応系の開発に着手し、モデル反応として取り上げたHenry反応やMichael反応を極めて効率よく促進することを明らかにした。
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