研究概要 |
これまでにin vitroでの温度センサー構築まで成功していたので、本研究では「細胞内での温度センサーの評価」を中心に研究を遂行した。一方、in vitroで機能した蛍光センサーが細胞内でも同様に機能するとは限らないので、感度向上などを主な目的として、「センサー機能の向上」も平行して進めた。 「細胞内での温度センサーの評価」 動物細胞発現プラスミドにTlpA-GFP融合体を組み込んだ後に、様々な動物細胞株(HEK293,免疫細胞DT40,神経細胞PC12)で融合タンパク質を一過的発現させて、細胞温度を変化させた際の蛍光変化を評価した。細胞膜近傍での細胞内温度を測定するために、TlpA-GFP融合体に細胞膜移行シグナルをつけて温度センサーを細胞膜にターゲッティングさせた。共焦点レーザー走査顕微鏡観察を行い、細胞断片の蛍光強度を用いて細胞膜の微小領域でのratio380/480を算出した。 「センサー機能の向上」 in vitroで成功した第一世代の温度センサーは、細胞内での評価を行なうにはratio380/480の変化量が小さかった。そこで、感度向上を目指してcircular permutation法(Tsien et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1999)を採用して、第二世代の温度センサーも作成した。
|