研究概要 |
生命機能をシステム的に理解するためのメタボロミクス研究の中で最大の問題は,膨大な数の代謝産物を同定・定量するあめのスタンダードな方法は確立されていない.そこでメタボロミクス研究において未知物質同定に取り組むことを目指して研究を開始した. まず未知代謝産物の構造情報取得のための基盤構築を目指して,微生物・動物の内生代謝産物の内生代謝産物をリスト化に着手した.これまでに約3000のメタボライトリストを作成し,入手可能な標品を取得中である.取得した標品をFT-ICR/MSによって質量値を取得するとともに,MS/MS法によるフラグメントパターン情報を付加したデータベース構築を開始した.また各標品の測定可能感度についても,正イオンモードと陰イオンモードにおいて計測し,メタボライトリスト情報に格納している. これらの情報の整備によって,微量試料の代謝産物同定,精密質量からの分子式推定,MS/MS法による構造情報取得を通して未知物質の構造推定を行う.それらの物質の超微量検出と定量を可能にする。その基盤の上ではじめて,試料間で代謝産物を比較し,新規マーカー代謝産物を同定し定量することが可能になる.計画期間中には,FT-ICR MSメタボロミクスによる超微量サンプルからの網羅的代謝産物分析法と物質同定法の基盤を整備する.
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