研究課題/領域番号 |
18038038
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60338217)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | メタボローム / 1細胞計測 / キャピラリー電気泳動-質量分析計 / CE-MS / CE-TOFMS / HeLa / 大腸菌 |
研究概要 |
1細泡のメタボローム(全代謝物の総称)測定が将来可能となるような基盤技術の開発を行う。新たに幅広い質最範囲を高感度に検出することができるエレクトロスプレーイオン化飛行時間型質量分析計(TOFMS)をCEに接続したCE-TOFMS法によるメタボローム測定法を開発した。この方法は従来法のCE-四亜極質鼠分析計(CE-QMS)に比べ、陽および陰イオン性代謝物質で数倍から数十倍の高感度化、精密マス(ミリマス)での検出さらには30倍のスループット分析を可能にした。HeLa細胞から代謝物質を抽出し、CE-TOFMSで測定し検出された細胞数を数える方法で、前処理に用いるHeLa細胞数と検出された代謝物数の関係をプロットしたところ、細胞数が2x10^6個以上では検出された代謝物数は同じであった。つまりHeLa細胞の場合は、最低2x10^6個の細胞があれば、本法で測定できることが確認された。またグルタミン酸等細胞内の濃度が高い代謝物であれば、数千個の細胞があれば検出できることが判明した。 また、慶應義塾大学先端生命科学研究所で作成した4200個ある大腸菌の遺伝子をひとつづつ欠失させた遺伝子破壊株4200種類の中からエネルギー代謝にかかわる遺伝子を欠失した大腸菌を選出し、細胞内分子(代謝物質、タンパク質、RNA)を、最先端の分析技術とバイオテクノロジーを駆使して徹底分析した。それらのデータをもとにエネルギー代謝の各ステップにおける代謝流束(酵素反応の速度)をコンピュータで計算した。その結果、エネルギー代謝のような重要プロセスを担っている遺伝子が欠失していても、細胞の生存に影響がないだけでなく、細胞内の各種の物質量の変化にもほとんど影響が出なかった。また、生育条件を変化させた場合、RNAやタンパク質の尿は大きく変化したが、代謝物質の量はほとんど変わらなかった。このように、大腸菌は、状況に応じて様々な手段で代謝を安定に保っているということを世界で初めて定量的に実証した。
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