研究課題/領域番号 |
18038040
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
朝日 透 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 教授 (80222595)
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研究分担者 |
吉野 知子 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 特任助教授 (30409750)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 磁気マイクロアレイ / 磁性化細胞 / Raji細胞 / 軟磁性体 / 無電解めっき法 / 細胞間シグナル伝達物質 / 磁気誘導 / 磁気ナノ粒子 |
研究概要 |
近年、1細胞レベルで分析するための要素技術の開発が行われている。レーザーや電気化学的な力を利用した技術が報告されているが、大型の装置を必要とするため、他の手法の開発も待望されている。本研究では、磁気誘導による1細胞トラップ技術を開発することを目的としている。磁性体をアレイ化した磁気マイクロアレイを作製し、抗体をアセンブルした磁気ナノ粒子を用いることで、磁気誘導によりターゲット細胞をトラップする。本細胞トラップ技術により作製された細胞アレイは、細胞間シグナル伝達物質解析における有用なツールとなることが予測され、創薬領域に大きく貢献すると期待される。 シリコン基板上のマイクロサイズのホールアレイに無電解めっき法により、CoNiFe面内軟磁性体を導入し、磁気マイクロアレイを作製した。また、細胞の磁性化として、磁性細菌により合成されたProtein A発現磁気ナノ粒子を用いた。Raji細胞(B cell line)にマウス由来抗CD19抗体を導入した後、抗マウスIgG抗体固定化磁気ナノ粒子を導入し、細胞への磁性化を行った。この磁性化細胞を3種類の磁気マイクロアレイ上に導入し、洗浄後、基板表面の顕微鏡観察を行った。 その結果、磁性ドットが基板面より突き出て埋め込まれた基板Aではその突き出た磁性ドットの側面に細胞がトラップされ、また基板面と同じ高さで埋め込まれた基板Bでは磁性ドットの上に細胞が観察された。一方、埋め込まれた高さが基板面に満たない基板Cでは細胞のトラップは観察されず、チェーン状の未反応磁気ナノ粒子の凝集体(1マイクロ程度)がドット内に突き刺さっているような形で観察された。 以上の結果より、基板面と同じ高さで埋め込まれたCoNiFe面内軟磁性体の磁気マイクロアレイを用いることにより、1つの細胞のトラップが可能であることが実証された。
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