研究概要 |
ペプチド切断酵素(Caspase)の活性化プローブを開発した.Firefly luciferaseのN末端とC末端をプロテインスプライシングで連結した、カン状luciferaseを新たにデザインし、caspase-3検出プローブとした。COS7細胞にカン状luciferaseを発現させ、アポトーシスシグナルに伴う発光シグナル変化を評価した。Caspase不活性な状態では、1wellの培養細胞(1x10^5細胞)から単位時間(1min)あたりの発光(background発光)が〜10,000au/min、かつ細胞内caspaseが活性化した時にbackground発光の約10倍(100,000au/min)の発光強度変化が起こるプローブを開発した。阻害剤の一つZ-VAD-FMKを用いて、caspase-3の阻害活性を定量的に評価できるアッセイ系を確立した。またマウス個体内でのcaspase-3活性を時間変化をおって検出できることを示した(投稿中). タンパク質のリン酸化検出プローブを開発した.骨形成因子(BMP)シグナルの下流でリン酸化を受けるSmadタンパク質のリン酸化を,luciferaseの発光により検出するプローブを開発した.独自の技術であるスプリットluciferaseにSmad1とSmad4タンパク質を連結した.Smadを恒常的にリン酸化するALKリセプターを発現したCOS7細胞からは,Smadのリン酸化に伴うluciferaseの強い発光が観察された.また開発したプローブをカエルの初期胚に発現させ,カエル卵の初期発生段階におけるSmadのリン酸化を,リアルタイムにイメージングできることを明らかにした.
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