研究課題/領域番号 |
18038047
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
原田 慶恵 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10202269)
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研究分担者 |
横田 浩章 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (90415547)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 全反射顕微鏡 / マイクロアレイ / マイクロビーズ / 生体分子 |
研究概要 |
1細胞中に存在する酵素の活性を計測する技術の開発を行った。まず、多数の凹(40×40×20μm^3)のあるPDMSマイクロチャンバーチップ上に細胞をまき、凹部に細胞を収めた後、ペプチドのC端に蛍光色素を結合させたFluorogenic基質を細胞溶解液と共に流し込み、カバーガラスを載せ、PDMSチップをガラス面に圧着し、約30pLの微小空間に細胞を閉じこめた。Fluorogenic基質はそのままでは蛍光を発しないが、酵素によってペプチドと蛍光色素の間で切断されると蛍光色素が放出され、蛍光を発する。細胞がチャンバー内で溶解され、細胞内の酵素が溶出すると、酵素が基質の切断を開始し、蛍光シグナルが時間とともに増加していく。蛍光強度の時間変化から、1個の細胞に含まれていた酵素の分子数を推定することができる。ラットPC12細胞のCa2+依存性プロテアーゼであるカルパインを1細胞レベルで計測すると、Ca2+存在下では、基質であるSuc-LLVY-MCAが分解され、蛍光分子(AMC)が放出され、チャンバー内の蛍光強度が時間と共に増加した。一方、EDTAでCa2+をキレートするとこの活性は、ほとんど認められなかった。また、カルパイン阻害剤であるZLLHやカルパスタチンを添加すると、Ca2+存在下でも完全に活性は抑制されていることを確認した。次に、アポトーシスを起こした細胞で活性が上昇することが知られているカスパーゼ活性を、個々の細胞でカスパーゼのFluorogenic基質を用いて調べた。培養液から血清を抜き、アポトーシスを誘導した細胞と、通常の血清を含む培地で、培養した細胞で測定し比較した。その結果、アポトーシスを誘導した細胞の中にはカスパーゼ活性が高い細胞が存在した。カスパーゼ活性が高い細胞が本当にアポトーシスを起こしているかどうかを確認することが、今後の課題である。
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