研究課題
特定領域研究
生体内では複雑な高分子化合物が高次な階層構造をとることで精緻な機能を発現しているが、このなかではしばしば金属錯体が重要な役割を果たしている。しかもこの系においては外部刺激に応答することで無駄のない適切な機能発現が達成されている。そこで本研究では、電子移動、エネルギー移動の観点から外部刺激を系内に伝達するのにふさわしい構造を持っている共役ポリマーに、機能素子となる遷移金属や典型元素を導入することで、階層化による機能の増幅や変換が行える新しい共役ポリマーの創成を目指した。遷移金属錯体を形成させることで、[∞]メタロヘリセン構造を有し、dπ-pπ相互作用に起因した電子共役性をもつポリマーの合成を目的に、ポリオキシム配位子を各種合成し、その金属配位能を検討したところ非常に協同的に多核錯体が形成されることがわかった。特に亜鉛とランタンを用いた場合には、メタロヘリセンとでも言うべき興味深いラセン構造を持った多核錯体を高収率で合成することに成功した。その他、多様な金属との組み合わせを検討して、ラセン構造に適した金属の組み合わせについても知見を得ることができた。さらに、より巻き数の多いラセン型多核錯体の合成のためのポリオキシム配位子を合成して、錯体生成を検討すると共に、いくつかの錯体についてはX線結晶構造解析によって、その構造を明らかにすることができ、階層構造をもつ共役高分子の開発に有用な基礎的知見を得ることができた。
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