研究課題/領域番号 |
18039025
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤内 謙光 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (30346184)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 有機塩 / 超分子クラスター / 機能性ナノ空間 / 単結晶X線構造解析 / 個体光物性 / 構造変化 / ダイナミックデバイス / 超分子ポリマー |
研究概要 |
本研究では、有機酸とアミンからなる有機塩において形成される超分子クラスターを階層的に組み上げ、高次構造である三次元ネットワーク状超分子ポリマーを構築する。形成される空間への化学刺激(化学種の吸着・脱離)、または物理刺激(熱・圧力)による構造変化に伴って、固体光物性(色調・発光挙動・非線形光学特性)のダイナミックな変調が可能な、革新的機能をもつデバイスの創成を目的とする。超分子化学や光化学における知見を融合させ、さらにこれまで我々が培ってきたインターカレーション現象や多形転位といった有機結晶における動的現象を導入することによって、ダイナミックデバイスの創成を行う。以下に得られた結果を列挙する (1)種々の機能性分子にスルホン酸基を導入した機能団分子を合成する。これまで色調についてはアゾベンゼンスルホン酸において興味深い結果が得られているので、とくに発光ユニットをもっスルホン酸誘導体、すなわちアントラセン誘導体について合成を行った。 (2)得られたアントラセン誘導体について結晶化を行い、超分子構造の化学的、物理化学的性質を赤外分光法、固体核磁気共鳴分析、熱分析によって明らかとする。得られた測定データにより、ネットワーク構造による包接現象を検討った。また単結晶X線構造解析により、超分子構造を明らかとした。 (3)アントラセンジスルホン酸を用いた有機層状結晶ではジオキサン分子の吸着・脱離に応じて結晶の微細構造が変化し、それに応じて蛍光発光色が変化させることに成功した。この変化は固体発光では稀なアントラセンのエキシマー発光とモノマー発光の間でのスイッチングであることが明らかとなった。 (4)ビスアミノフェニルアントラセンを用いた系では多くの化学物質を取り込むことを明らかとした。これらの結晶は取り込む化学種に応じ多発光現象を示すことを見出した。
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