• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

極低温トンネル分光による単一分子の局所電子状態の解明とガス吸着の影響の考察

研究課題

研究課題/領域番号 18041010
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関大阪大学

研究代表者

夛田 博一  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40216974)

研究分担者 山田 亮  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20343741)
荒 正人  大阪大学, ナノテクノロジー・ナノサイエンス研究推進機構, 特任助手 (90419474)
研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード走査トンネル顕微鏡 / フタロシアニン / 酸素分子 / マンガン / 表面準位 / 走査トンネル分光 / 界面準位
研究概要

今年度は、金属表面上の有機分子に対するガス分子の吸着の影響を調べた。清浄化した銅(111)表面上に、中心にコバルト原子を配位したコバルトフタロシアニン(CoPc)分子を吸着させ、さらに酸素ガスを極微量導入した後、5ケルビンの極低温で走査トンネル顕微鏡(STM)観察を行った。
CoPcは分子面を表面に平行に吸着していた。CoPcのコバルト部分の高さが0.18nm(CoPc)と0.35nm(02-CoPc)の2種類のCoPcが観察された。酸素ガスを導入しない場合高さが0.35nmの02-CoPcは全く観察されなかったことから、02-CoPcでは酸素ガスが中心金属コバルトに吸着していると考えられる。フタロシア環部分の高さには変化が確認されなかったことから、酸素ガスはCoPcのコバルト部分にのみ結合することがわかった。
金属フタロシアニン分子では、鉄やコバルトといった中心金属部分に酸素ガスが吸着することが知られているが、吸着状態を単一分子レベルで直接観察した研究例は皆無である。本研究では、酸素ガスがコバルト原子上に吸着したフタロシアニン分子を単一分子レベルで実空間観察することに初めて成功した。また、酸素ガスは中心金属部分のみに吸着し、他の部位へは吸着しないことが明らかになった。
また、基板の磁気構造が有機分子へ与える影響を調べる際に、磁性表面作製技術が必要となる。そこで金表面上へ磁性材料マンガンを蒸着し、STM観察と走査トンネル分光(STS)を行った。STM像では√3×√3構造が確認されたことから、MnAu_2表面合金が形成されていると考えられる。この表面でSTSを測定したところ、占有準位側にマンガン3d電子の多数準位および金の表面準位が現れ、非占有準位側にはマンガン3d電子の少数スピンの準位が現れることがわかった。また、マンガンの表面準位と考えられるピークがフェルミ準位に見つかった。本研究によってMnAu_2表面合金の構造と電子状態を明らかにすることができた。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 有機半導体/金属電極界面の問題II2007

    • 著者名/発表者名
      山田亮, 夛田博一
    • 雑誌名

      応用物理 76

      ページ: 1399-1403

    • NAID

      10020007403

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] STM Studies of NaCl Thin Films on Cu(111) Surfaces at Low Temperature

    • 著者名/発表者名
      R.Mishima et al.
    • 雑誌名

      Molecular Crystals and Liquid Crystals (In press)

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] Au(111)表面上Mn薄膜の低温走査トンネル分光測定2007

    • 著者名/発表者名
      高田正基、三島良太、多田博一
    • 学会等名
      第68回応用物理学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      北海道工業大学
    • 年月日
      2007-09-07
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

URL: 

公開日: 2006-04-01   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi