研究課題/領域番号 |
18042001
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
慈道 大介 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教 (30402811)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 理論核物理 / ハドロン物理学 / 量子色力学 / カイラル対称性 / ストレンジネス / ハドロン励起状態 / エキゾチックハドロン / 中間子原子核 |
研究概要 |
本研究では、カイラル対称性とフレーバー対称性をもとに、ハドロン励起状態の構造を理論的に研究することを目的としていた。ハドロンの励起状態の構造は、近年、理論・実験両面から注目を集めている。ハドロン励起状態の構造が、本質的にクォーク自由度で記述されるか、ハドロン自由度で記述され得るかが、構造や性質を理解する上で不可欠である。また、中間子を原子核に入れると中間子は周りの核子を励起して励起状態を作るので、バリオン励起状態の研究は中間子原子核系を理解する上で重要である。今年度の研究では多岐にわたり新たな知見を得ることができた。現在、6本の論文が査読中であり、また、4本の論文を執筆中である。以下に主要な結果についてまとめる。 1.観測されてる散乱振幅を元に、バリオン励起状態がメゾンとバリオンの準束縛状態で記述されうるか、あるいは別の起源(例えばクォーク)の成分を必要とするかを判定する方法を提示した。その結果、Λ(1405)はメゾンとバリオンの準束縛状態で良く記述されること、N(1535)はメゾンーバリオン以外の成分が必要であることがわかった。 2.より現象論的な視点に立ってバリオン励起状態の性質について計算を行った。N(1535)励起状態の遷移電気形状因子、Λ(1405)の電磁的平均二乗半径の計算と、Large Ncの議論からΛ(1405)の構造について調べた。 3.QCD和則の方法を用いてσ中間子は4つのクォークで構成される成分を多くもつことを明らかにした。 4.η中間子原子核では、N(1535)の原子核中での質量変化に伴って、η中間子モードとN*-holeモードの間のレベル交差が起きうることを示し、η中間子原子核生成反応において、レベル交差が起きているかどうかを観測できることを示した。また、K中間子原子核について、Λ(1405)を考慮に入れて、生成反応スペクトルを計算し、実験との比較を検討した。
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