研究課題/領域番号 |
18043007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 (2007) 東京大学 (2006) |
研究代表者 |
初貝 安弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80218495)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 量子液体 / トポロジカル秩序 / ベリー位相 / 量子ホール効果 / 幾何学的位相 / チャーン数 / エツジ状態 / 対称性の破れ / 量子秩序 / 秩序変数 / エンタングルメントエントロピー / ディラック電子 |
研究概要 |
現代物理学においては「対称性の破れ」とそれを記述する「秩序変数」の概念が基本的である。現代物理学の目的の一つはこれらを用いた「相」の分類、理解であった。一方近年の研究の進展により、量子効果が古典論に対する摂動であるにとどまらない「量子相」が広く存在することが認知されるに至った。量子ホール相、強相関電子群におけるスピン液体相、近藤格子系等における量子液体相、整数スピン鎖におけるHaldane相等がその典型例となる。これらは、如何なる対称性の破れを伴わず、古典的秩序変数によっては特徴づけることのできない古典的対応物の存在しない真に量子的な新物質相である。これらの相は「量子液体相」と近年総称され多くの興味をあつめている。これらの新奇な「量子相」「量子液体相」の存在とその重大な意義の認識は新たな自然法則の理解、発見を要求する。 そこで提案されたのが、「トポロジカル秩序」「量子秩序」の概念である。「量子液体相」においては励起に有限のエネルギーギャップが存在し、低エネルギーの局所的な準粒子が存在しない。連続対称性の破れに対応して存在する南部ゴールドストンボソンが存在しないわけである。対応して、この最子液体相の基底状態は本質的に非局所的であり、系のトポロジカルな形状に支配される形で、系に境界が存在してはじめて生じたギャップレスのフェルミ統計に従う境界に局在する準粒子励起が状態を特徴づける。量子ホール相等におけるはギャップレスのエッジ状態が典型侵である。 以上を歴史的背景として「幾何学的位相」を用いたベリー接続を直接の手段とし、ベリー位相、チャーン数等により多体の電子論、物性論におけるトポロジカルな秩序変数を構戒する理論的提案を行い、それに基づく大規模数値計算機による具体的な数値計算により幾つかの量子液体相の特徴付けに成功下。またその成果はすべて論文として公表し、広く講演も行って。
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